テクニカル分析はチャールズダウによって19世紀の終わりに考え出された市場の分析ツールである。その歴史も古く、実務家によって常に利用されてきた経緯からその研究もかなりの量にのぼり、実践的なモデルが多い。そのような研究成果の有効性を把握していることは、為替ヘッジには欠かせない知識である。

基本的には上昇相場、下落相場、もみ合いの相場に分けられる。山と谷を繰り返しながら徐々に価格を上げたり、下げたりする場合相場にトレンドがあるという。このトレンドに乗ることで利益を上げようとする人たちをトレンド追随型、またはトレンドフォロアーと呼び、トレンドに逆行して相場を張る人をコントラリアンと呼ぶ。前者の戦略を順張り戦略、後者を逆張り戦略と呼ぶ。

このような分類は基礎の基礎であるが、投資家として、投機化として、そしてリスク管理の面から最も重要な概念である。

最近ではコンピューターシステムの発達によりテクニカル分析を簡単に行えるようになったと同時に、その有効性も容易に検証できるようになった。テクニカル分析の有効性に関しては学術的な研究も行われるようになり、MITの教授もテクニカル分析の有効性についての論文を書いている。また、イギリスの中央銀行に相当するBank Of Englandのエコノミストも為替市場におけるテクニカル分析の有効性と影響についての論文を書いている。FEDのエコノミストもやはり同じような論文を書いている。

また、このテクニカル分析の有効性については株式市場と同様に、価格を形成する経済的な側面に趣を置いたファンダメンタル分析と相対している。為替市場では少なくともファンダメンタル分析では短期の為替レートの予測は有効ではないため、その点に関してはテクニカル分析がよく活用されている。

テクニカル分析も定義が難しく、徐々に金融工学、人口市場的なアプローチ、統計物理学などを応用した売買戦略など、その境目は区別がつかなくなっている。一般に、仕掛け、損切り、利食い、手仕舞いから構成される売買戦略では、仕掛けはテクニカル分析、統計物理学など、市場の癖を捕らえるのに有効な手法が用いられ、損切り、利食い、手仕舞いなどは金融工学的なアプローチが有効であると言える。