他通貨オプション         Currency Translated Options

外貨建て資産に投資するとき、当然状況に応じて為替のヘッジが必要になる。特に外貨資産が危険資産である場合、その価格は上下動を繰り返す。ヘッジの方法としてはヘッジ比率を固定する方法とオプションを用いる方法があるが、この場合にもうひとつ考慮しなければならない点はヘッジする金額を幾らにするかという点である。将来の危険資産の価値が確定していない以上事前に固定された金額をヘッジすることには大きな危険を伴う。そこで有効となるのが以下の3つのオプションであり、他通貨オプションと呼ばれる。このようなオプションは他国通貨建て資産を自国通貨建てにするものと、自国通貨建ての資産を他国通貨建てにするオプションがあるが、ここでは他国通貨建ての資産を自国通貨建てにするオプションを考察する。

Foreign Equity Options struck in domestic currency

このオプションは外貨建て危険資産を原資産とするオプションであるが、行使価格は自国通貨建てである。満期には外貨資産は自国通貨に換算される。通貨オプションと外貨建て資産オプションが組み合わさった形になっている。外貨建て資産のオプションと通貨オプションの両方を買わなくて済むというメリットはあるが、収益機会も減る。

Fixed Exchange Rate Foreigh Equity Options

通貨ヘッジはフルヘッジと考え、そのヘッジ元本は外貨資産の動きによって調整される外貨資産のオプションである。外貨建て危険資産の満期時の価値は事前にわからないので、どれだけの為替フォワードをヘッジしたら良いのか投資開始時点ではわからない。そのような問題を解消するのがこのオプションである。外貨資産の下落リスクをヘッジしながら、為替リスクに関しては外貨資産の上下動を調整しながらフルヘッジしていることになる。クオントオプションと呼ばれる。

Equity-Linked Foreigh-Exchange Options

外貨資産の価値の上下動を調整する機能付きの通貨オプションである。一般に、外貨建て危険資産を為替の部分だけヘッジしたくても外貨建て危険資産が満期時に幾らになるか知ることはできないので、通貨オプションの購入金額を特定することはできない。通貨オプションそのものが高価であるので、オーバーヘッジは更なるヘッジ費用の増加につながり、アンダーヘッジはヘッジのパフォーマンスを悪化する。この通貨オプションでは外貨資産の値動きにより変動する通貨オプションの購入金額は自動的に調整される。

参考文献

Derman,E.,P.Karashinski,and J.S.Wecker(1990),"Understanding Guaranteed Exchange-Rate Contracts in Foreign Stock Investments,"International Equity Strategies, Goldman Sachs,June

Dravid,A., M.Richardson,andT.S.Sun(1993),"Pricing Foreign Index Contingent Claims:An Application to Nikkei Index Warrants,"Journal of Derivatives,1(1),33-51

Espen Gaarder Haug(1997),The Complete Guide to Option Pricing Formulas,p.102-111

Reiner,E.(1992)"Quanto Mechanics",Risk Magazine,5,59-63

オプション価値の評価式

Foreign Equity Options struck in domestic currency

Fixed Exchange Rate Foreigh Equity Options

Equity-Linked Foreigh-Exchange Options

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