第18章 Market Wiz(ar)dom―魔術師たちの金言集42カ条
絶対に正しいとか市場を負かすなどといったことはありえない。金儲けをしたいなら、市場がそのようなものであることを分かっていなければ成らない。お金を失うのは、単にその事が分かっていないからだ。他に見方がありますか?
ムサワー・マンソアー・イジャズ
この前の章は、トレードの規則と市場の観測について説明した。この章は「新マーケットの魔術師」からの抜粋であり、トレードに成功するための幅広い原理と心理的な要素について検討した。
非凡なトレーダーたちが実に様々な手法を用いていること。純粋なファンダメンタリストあり、テクニカル分析のみのトレーダーあり、この二つの方法論を組み合わせる人もいる。二日は長期だと考えるトレーダーがいる一方、二カ月が短期だと考えるトレーダーもいる。しかし、この広範囲なトレーディング・スタイルの中で、私はどんな種類のトレーダーにも当てはまる原則を見出すことが出来た。数十年にわたるマーケット分析、トレーディング活動、そして、二冊に及ぶ偉大なトレーダーたちとのインタビュー。以下に掲げる四二の金言は、私が感じたトレードで成功するための条件を凝縮したものである。
一 動機の確認
最初に、自分が本当にトレードをしたいのかを確認する。自分が本当はトレードをしたくなかった、ということを悟るためにトレードをしたいと考える人が多いものなのである。
二 動機の吟味
なぜトレードしたいのか考えることである。単に興奮したいのなら、ジェットコースターに乗るかハンググライダーでも始める方がましなのである。私の場合、トレードをする根本的な動機は静寂や心の安らぎを得るためなのだ、と悟った。私の動機は、トレーディングから連想される典型的な精神状態とは全く違ったものだったのである。
もう一つの動機は、パズルを解くのが好きで、私にとってマーケットは究極のパズルであるということである。しかし、マーケットを分析するという知的な側面を楽しんでも、理性的ではないというトレードの性質を特に好んでいた訳ではなかった。そして、このことは明らかな矛盾を生むのである。したがって、自分の動機を大変慎重に吟味する必要がある。マーケットは容赦のない場なのである。勝つためには、ほとんどすべてを正しく執行する必要がある。どこか一部分でもトレードを反対の方向に持って行こうとすれば、勝負を始める前から負けていることになる。
私の例の矛盾? トレードの感情的な側面を取り除くため、私は機械的なアプローチに一〇〇%焦点を合わせることにした。同様に重要だったのは、機械的なシステムを設計することで、パズルを解くようなトレードの楽しい側面に自分の精力を傾けることができたことである。長い年月、機械的なシステムに情熱を注いできて、結局、私はこの方向にだけ進みたかったのだ、と実感するに至った。トレーダーが自分の相場観に基づいてマーケットにアプローチするのと比べて、機械的システムが優れている、と言っているのではない。単に、私の個人的な例を示しただけである。そのトレーダーごとに、対応はかなり違ったものになるであろう。
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